これでわかる、Bluetoothの基礎知識──接続方法からトラブル解消まで【iPhone/Android】
2016-11-23 11:24さまざまな機器とワイヤレスで接続できるBluetooth(ブルートゥース)。iPhone 7のイヤホンジャックが廃止され、これからAirPodsが発売されることでも注目を集めています。
今回は、Bluetooth製品の基本的な設定と利用方法・使い方をはじめ、うまくつながらないときのトラブル解消までくわしく解説していきます。
すぐわかる基本的な接続方法(つなぎ方)
Bluetoothの接続方法を紹介しましょう。基本的なつなぎ方は下記の通りで、3ステップで利用できるようになります。
Bluetooth接続の基本手順
1. ペアリングモードをオンにする
まず、接続するBluetooth機器の電源を入れて、Bluetoothのペアリングモードに切り替えます。
この操作は機種によって異なります。専用のボタンが用意されていたり、電源ボタンを数秒間長押しにしたりすることもあるので、マニュアルなどを参考にして調べておきましょう。
写真のイヤホンは、電源ボタンを長押しするとランプがBluetoothに点滅してペアリングモードになる
2. Bluetooth機器を検索する
ペアリングモードになるとランプが点滅したり、色が変わったりするので、それとわかります。
この状態でスマホ側のBluetoothをオンにすると、機器の検索が始まります。必ず機器とスマホを近くに置いて作業しましょう。
「設定」メニューから[Bluetooth]をタップ
[Bluetooth]をオンにする。少し待っているとペアリングモードにした機器が表示されるのでタップ
Bluetoothは10メートルくらい離れていても利用できることが多いのですが、ペアリング作業は1メートル以内に置いておくと確実な作業ができます。
のんびり操作していると、ペアリングモードが終わってしまうことがあります。その場合はもう一度作業を繰り返してペアリングモードを有効にします。先にスマホのBluetoothをオンにしておいてから、機器をペアリングモードに切り替えてもかまいません。
3. 機器が表示されたら接続ボタンを押す
スマホに機器が表示されたら、タップして接続すれば完了です。なお、Bluetoothのリストには製品の型番が表示されることもあるので、間違えないようにしましょう。
リストに表示され、「接続済み」になれば利用できます。
Bluetoothキーボードを接続するときには、コードの入力を求められることがあります。画面に表示された番号を間違えずに入力し、Enterキーを押すと接続できるはずです。
Androidスマートフォンでも基本作業は同じです。設定画面でBluetoothをタップし、オンにします。
少し待っていると機器が表示されるので、名前を確認してタップします。
上段のリストに表示されれば接続完了です。
iPhoneで上段リストに表示された状態
Androidスマホで上段リストに表示された状態
うまくつながらないときのトラブル解消
Bluetooth機能をオフにする
一度ペアリングした機器は、再び電源をオンにすると自動的にスマホに接続できるようになっています。しかし、何らかのトラブルで接続できなくなることがあります。
うまくつながらないときには、スマホのBluetooth機能をいったんオフにして再度オンにしてみます。また、登録されている機器を一度削除して再び接続すると、うまくつながることもあります。
ペアリングモードになっているか分かりにくい製品の場合には、一度電源を落として再起動すると、確実に作業できます。
他の機器にペアリングされていないか確認する
正しい手順で作業しているのに、リストに表示されないときには、他の機器にペアリングされていることがあります。
例えば、iPhoneとAndroidスマホを使っていて、iPhoneとペアリングしている機器をAndroidスマホでも使いたい際に、Androidスマホのリストに表示されない場合は、最初にiPhoneとのペアリングを解除してみてください。続いて、Androidスマートフォンで最初の手順通りに接続すれば、つながるようになります。
iPhoneでペアリングを解除する場合は、Bluetoothの画面で解除したい機器をタップします。
下の画面(左)が表示されたら[このデバイスの登録を解除]をタップして登録を解除します。これで完了です。
複数の機器を使いこなす:応用編
1台のスマホに複数のBluetooth機器を接続して利用することも可能です。
例えば、イヤホンとキーボードなら、問題なく両方とも利用できます。しかし、イヤホンとスピーカーのように、同じ用途に使う機器を同時に接続した場合には、どちらかを選んで利用することになります。
iPhoneの「ミュージック」では、再生する機器をメニューから簡単に選べます。他のアプリやAndroidスマートフォンで切り替えメニューが見当たらない場合には、Bluetoothの設定画面で利用する機器をタップして選びます。
タップで再生する機器を選択
イヤホンとスピーカーなども選択すれば、簡単に切り替え可能
1台のイヤホンが複数の機器で利用できると便利です。例えば、iPhoneとiPadの両方にペアリングできていれば、iPhoneで音楽を聴き、iPadで映画が観られます。複数の機能に対応する機能をマルチペアリングと呼びます。
マルチペアリングに対応している製品を選べば、同時に2台のスマホやタブレットとペアリングできます。機器によっては3台以上との接続可能です。
使い分けは簡単で、再生ボタンを押した機器の音楽が流れます。iPhoneで音楽を聴いている最中にiPadの映画を再生すれば、映画の音声が流れる仕組みです。
Bluetoothで利用できるいろいろな機器
Bluetoothで利用できる代表的な製品をいくつか紹介します。これまでに取り上げた、イヤホンやヘッドホンをはじめ、外付けのスピーカーや自動車のオーディオなど音楽関連機器はバリエーションが増えています。
コードレスで快適な音楽関連機器
イヤホンやヘッドホンはBluetooth製品が増えてきました。
外付けのスピーカーは、バッテリーで動作する製品なら外出先でも使えます。
キーボードやマウスで作業効率アップ
スマホ用のキーボードも利用できます。iPhoneとAndroidスマートフォン、Windowsでキーの配列などが異なるので対応製品を手に入れるのがベストです。
外付けのBluetoothキーボードを利用すると、長文入力が楽
また、Androidではマウスも使えます。パソコン用のBluetoothマウスを使っている人は試してみると良いでしょう。
Androidスマートフォンではマウスも利用可能
知っておきたい、Bluetoothの知識
最後に、Bluetoothの基礎知識をコンパクトにまとめておきます。
プロファイルの確認
Bluetoothでは、どのように機器を使うのかを「プロファイル」で指定しています。イヤホンでは、主に4つのプロファイル(A2DP、AVRCP、HFP、HSP)があります。
例えば、通話専用のヘッドセットは、音声をステレオで再生するためのプロファイル「A2DP」に対応していないことが多くなります。通話はできても音楽が再生できないのです。プロファイルは難しいので、覚える必要はありません。しかし、製品を選ぶ際には何ができるかをしっかりチェックしておきましょう。
バージョンの確認
Bluetoothは、年々進化しており、いくつかのバージョンが存在します。最新のバージョンは「4.2」です。「4.0」で消費電力が少なくなり、さらに「4.2」ではセキュリティが向上するなど順次進化しています。「3.0」はデータの転送が高速で、「2.1」でペアリングが簡単になっています。
今販売されている製品は、「2.1」以上が主流です。バージョンが異なる場合には古いほうに合わせて動作します。例えば、スマホが長時間利用の4.2に対応していても、機器の側が3.0だと利用時間は長くなりませんので、注意が必要です。これから購入するならなるべく最新のバージョンを選んでください。
構成・文:戸田覚
編集:アプリオ編集部